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映画『ひみつのなっちゃん。』 映画『ひみつのなっちゃん。』


      2023年1月13日(金) 新宿ピカデリー他 全国公開
      1月6日(金) 愛知・岐阜先行公開
      
      2023年1月13日(金) 新宿ピカデリー他 全国公開
      1月6日(金) 愛知・岐阜先行公開

      出演:滝藤賢一 渡部秀 前野朋哉 ・ 松原智恵子
      脚本・監督:田中和次朗
      主題歌:「ないしょダンス」渋谷すばる
      製作:東映ビデオ 丸壱動画 TOKYO MX 岐阜新聞映画部
      ロケ協力:岐阜県郡上市  ドラァグクイーン監修:エスメラルダ
      配給:ラビットハウス 丸壱動画
      ©2023「ひみつのなっちゃん。」製作委員会
@HimitsuNacchan

ものがたり ものがたり

ある夏の夜、なっちゃんが死んだ。

つまらない冗談を言っては
「笑いなさいよ!」と
一人でツッコミを入れていたなっちゃんは、
新宿二丁目で食事処を営むママ。
彼は愛する店で倒れていたところを、
出勤した店子のモリリンに発見された。

モリリンはなっちゃんと旧知の
バージンに連絡をする。
昔、バージンとなっちゃんは、
共にある理由から
ドラァグクイーンを引退した仲。
モリリンはそんなバージンだからこそ、
なっちゃんの本名や実家の住所などを
知っているものと思っていたのだ。

ところが、病院に駆けつけたバージンも
なっちゃんの素性は何も知らなかった。
葬儀業者を相手にしどろもどろの2人は、
とりあえずその場を立ち去り、
ドラァグクイーン仲間でTVタレントになった
ズブ子を呼び出して作戦会議をする。

3人はなんとかして
なっちゃんの素性を探ろうと奔走するが、
そのときに気づいた重大な事実。
なっちゃんは家族にはゲイということも
ドラァグクイーンをしていることも秘密。
そして、なっちゃんの自宅には
彼の素の生活が残っていること。
彼らはあわててなっちゃんの
自宅アパートに忍び込み、証拠隠滅を企てる。
ところがそのとき、
なっちゃんの亡骸を引き取りに
上京した彼の母・恵子が。
慌てた3人は、
ルームシェアをしているとウソをつき、
その場をやり過ごそうとするが、
上手に騙しすぎたせいで、
恵子から故郷の岐阜県郡上市で行う
葬儀に参列するよう誘われてしまう。

誘いを断れず、
なっちゃんとのお別れもしたい3人は、
郡上八幡へ向かうことに……。

ドラァグクイーンたちのひみつを
            笑いと涙で彩るハートフル・ヒューマン・コメディ ドラァグクイーンたちのひみつを
            笑いと涙で彩るハートフル・ヒューマン・コメディ

3人のドラァグクイーンを描いた映画といえば『プリシラ』(94)、そのヒットを受けて作られた『3人のエンジェル』(95)があるが、あれからはや30年弱。LGBTQ+の人々の意識はもちろん、彼らを取り巻く環境も激変した。では、令和の日本で3人のドラァグクイーンが、あるミッションを持って旅をするとどうなるか。社会とマイノリティの関係性の変化はもちろん、3人の考え方も変えていく旅……。それを描いたのが『ひみつのなっちゃん。』だ。

日本において、ゲイカルチャーが一般の人の目に触れる機会は、一昔前までは夜の街かテレビの中だけ。だが、今は違う。ドラァグクイーンのタレントがほぼ毎日テレビなどのメディアに引っ張りだこで、ゲイであることを公表して活動するYouTuberも無数に活躍するようになった。一見、LGBTQ+の人権は欧米で進んだそれと同じようにみえるが、じつはそうではなく、社会はもちろん、当事者自身にも「ひみつ」を明かしてはいけないという、呪いのように根深いわだかまりがある。そんな日本社会の変化、それでもなお頑なに変わらないものは何か。本作では、3人のドラァグクイーンの珍道中を通して、それらをあぶりだすことに成功している。

一方『ひみつのなっちゃん。』はLGBTQ+の世界のみを描く映画ではない。この物語の舞台は新宿界隈と岐阜県の郡上八幡だが、地縁的な繋がりが濃厚な郡上八幡に暮らす人々は閉鎖的ではなく、多様性の概念をごく自然に許容する。都会が失いつつある他者に優しい日本本来の社会が垣間見える瞬間だ。こうした寛容性を背景にした登場人物たちの笑いと涙に富んだ掛け合いは日本映画伝統の人情喜劇を見事に再現している。

これが初監督・脚本作となる田中和次朗がメガホンをとり、完全オリジナル脚本で挑む。なっちゃんの親友バージンを演じるのは数々の映画やドラマに引っ張りだこの滝藤賢一。彼にとって本作が劇場用長編初主演作となる。また、モリリン役には『科捜研の女 -劇場版-』(21)の渡部秀、ズブ子役には『ハケンアニメ!』(22)などの好演で知られる名バイプレーヤー、前野朋哉が挑む。そしてなっちゃんの母・恵子役は、恵子と同じく岐阜県生まれの名女優松原智恵子が珠玉の演技で作品全体を包み込んでいる。